『龍の庭〜龍門図』
第24回全国都市緑化ぐんまフェア 出展作品
(2008年3月29日〜6月8日)
総合部門銅賞
この作品は、「登龍門伝説」をテーマとし、意識の世界を表現しています。
「登竜門伝説」とは、中国の黄河にある激流(龍門)を登った鯉は龍になる、
という伝説です。
この龍門には、たくさんの鯉が集まってきます。
しかし、龍門を登りきらなければ、激流に飲み込まれ、命を落とすことになります。
『龍の庭〜龍門図』は、龍門を登る直前、覚悟を決めた鯉のその一瞬の緊張感を表現しています。
滝を登りきり龍に姿を変えたその一瞬、そしてそのすべてを同時に見ている者(あなた)がいてこの作品は完結します。
龍門の強い気勢を受け止める鯉、その気勢の強さを表現するために、あえて大海に砂紋は描かずに、鯉の波紋(砂紋)のみとしました。
そのとても強いエネルギーを持った鯉は、意識の世界では既に龍に姿を変えているため、龍の形をしたダイオウショウ(マツ)で、滝を登る直前の鯉を表現しています。
トウカエデの観自在菩薩は、過去・現在・未来のすべてを同時に見ています。
登龍門にたどり着く為の長い旅も、鯉から龍に変化するその瞬間も、また龍になり天空を舞うその姿も、意識の世界においてすべては同時に存在している、ということを感じ取っていただけたでしょうか。
・・・そして、そのすべては一瞬の夢なのかもしれません。
『龍の庭〜龍門図』を、目を閉じて心の目で見る「画」として楽しんでいただければ、作者としてうれしい限りです。